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はじめに
2021年後半に登場したニコンZ9は、その革新的な機能でプロフェッショナル市場に大きな衝撃を与えました。積層型CMOSセンサー、8Kビデオ、ブラックアウトフリー撮影、そして高度なオートフォーカスは、多くのフォトグラファーやビデオグラファーを魅了し、フラッグシップミラーレスカメラの新たなスタンダードを築き上げました。それから数年、後継モデル、おそらく「Z9 II」または全く新しい名称を冠する機種への期待が、ウェブ上の噂を中心に高まっています。本稿では、現時点で得られている情報を基に、ニコンZ9後継モデルがどのような進化を遂げるのか、その可能性を探ります。

編集部もニコンZ9発売当時から使っておりおおむね満足しています。あえてゆうなら仕事に関係の無い、趣味の撮影で野鳥撮影するときに曇りの日なんかは高感度のノイズが気になるくらいです。動画とスチルの切り替えレスポンスは最高にいいので離せません。フォーカスも編集部的にはほとんど不満ありませんが、新機種が出るならいくつかの希望がありますね。パナソニックのように動画をダイレクトにSSDに書き込めるようにはしてほしいのとNLogを申す子℗氏何とかしてほしい。さらには10ビット4:2:2がプロレズしかないのも問題です。あとは他社が載せてきているいくつかの新機能が載ればいいかな。
発表時期の憶測:2025年後半から2026年初頭か
ウェブ上の噂では、Z9後継モデルの発表時期は2025年後半から2026年初頭にかけて有力視されています 。特に注目されているのは、2026年2月に開幕するミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックに合わせた発表と発売の可能性です。過去の例を見ても、主要なスポーツイベントは、フラッグシップモデルの性能をアピールする絶好の機会であり、ニコンもこのタイミングを意識していると考えられます 。
さらに、Z9の発売から3〜4年という、ニコンのフラッグシップモデルの更新サイクルも、この時期を裏付ける根拠の一つです 。加えて、最近Z9の価格が引き下げられていることも、後継モデルの登場に向けた在庫調整の可能性を示唆しています。
噂される進化:スペックと新機能
Z9後継モデルでは、初代Z9の優れた点を踏襲しつつ、さらなる進化が期待されています。ウェブ上の噂をまとめると、主に以下の点が強化される可能性があります。
センサーと画像プロセッサー
- 高解像度化の可能性: 現在の4570万画素センサーを維持しつつ、さらなる最適化を図るという見方がある一方で、6100万画素など、より高解像度の新型センサーが搭載される可能性も囁かれています。
- EXPEED 8プロセッサー: 高速処理、AF性能の向上、コンピュテーショナルフォトグラフィーの進化に貢献するであろう、新世代のEXPEED 8プロセッサーの搭載はほぼ確実視されています 。
- グローバルシャッターの可能性: ローリングシャッター歪みの解消、フラッシュ同調速度の向上、動体追従性の向上など、多くのメリットをもたらすグローバルシャッター技術の搭載を期待する声も根強くあります。ただし、ダイナミックレンジや低照度性能への影響、コスト増などの課題も指摘されており、ローリングシャッターとグローバルシャッターを切り替えられるハイブリッドセンサーの可能性も示唆されています。
オートフォーカスシステム
- 速度と精度の向上: Z9で既に高い評価を得ているAFシステムですが、後継モデルではさらに速度と精度が向上すると期待されています。
- 被写体検出の強化: 動物や動きの速い被写体を含む、被写体検出アルゴリズムのさらなる進化も期待されています。AIを活用したより高度なAFアルゴリズムの導入も噂されています。
- フォーカスポイントの増加: フレーム全体をカバーする、より多くのフォーカスポイントを求める声も上がっています。
ビデオ録画機能の進化
- 8K/120pの可能性: Z9の8K/60pを上回る、より高フレームレートでの8Kビデオ録画が噂されています。
- 内部RAW記録の強化: 現在の内部12ビットRAW記録に加え、さらに高画質なRAW記録や、RED Digital Cinemaとの連携による最適化されたコーデックとワークフローへの期待が高まっています。特に、ニコンによるREDの買収は、Z9後継モデルのビデオ機能に大きな影響を与えると予想されています。
- その他の機能強化: リアルタイムLUT適用、拡張録画のための放熱性の改善なども噂されています。
電子ビューファインダー(EVF)とディスプレイ
- 高解像度EVF: Z6 IIIに搭載された5760kドットの高解像度EVFが採用される可能性があります。
- 可動式スクリーンの可能性: より自由なアングルでの撮影を可能にする、チルト式および完全に関節可動式の背面スクリーンの搭載を期待する声もあります。
設計とエルゴノミクス
- 軽量化: 高度な素材の採用によるわずかな軽量化の可能性があります。
- エルゴノミクスの改善: 長時間使用における快適性を向上させるための、グリップなどの改良が期待されています。
その他
- コンテンツ認証機能: 画像の信頼性を高めるコンテンツ認証機能の搭載も噂されています。
- CFexpress Type B/SDカードのデュアルスロット: より幅広いユーザーに対応するため、CFexpress Type BとSDカードの両方に対応するデュアルスロットが採用されるかもしれません。
競合機種との比較
噂されるZ9後継モデルのスペックは、ソニーα1 IIやキヤノンEOS R1といった、各社のフラッグシップモデルと比較されています。特にビデオ機能においては、REDとの統合により、競合他社を凌駕する可能性も指摘されています。一方、センサー解像度においては、他社に劣るという見方もあります。
ターゲットオーディエンスと市場ポジショニング
Z9後継モデルは、プロのスポーツ写真家、野生動物写真家、ハイエンドなビデオグラファー、そして静止画と動画の両方で最高の性能を求めるハイブリッドシューターを主なターゲットとして設計されると考えられます 。ニコンは、その市場において、スピード、信頼性、そしてREDとの連携による革新的なビデオ機能を強調することで、独自の地位を確立しようとするでしょう。
ニコンZシステムへの影響
Z9後継モデルの登場は、ニコンZシリーズ全体の技術的な水準を引き上げ、将来のアップデートや下位モデルへの機能波及も期待されます。現在のZ9に対するファームウェアアップデートも継続される可能性があり、後継モデルとのギャップを埋める役割を果たすかもしれません。
まとめ
ニコンZ9後継モデルに関するウェブ上の噂は、発表時期、主要なスペック、そしてグローバルシャッターやREDとの連携といった革新的な機能への期待を示唆しています。これらの噂が全て現実のものとなるかは不確かですが、ニコンがフラッグシップモデルの進化を通じて、プロフェッショナル市場における競争力をさらに高めようとしていることは間違いありません。最終的な仕様と機能については、ニコンからの正式発表を待つ必要がありますが、Z9後継モデルは、プロフェッショナルフォトグラファーやビデオグラファーにとって、非常に魅力的な選択肢となる可能性を秘めていると言えるでしょう。