Table of Contents
Visionゴーグルで没入感のあるフライト体験
2025年12月18日、Insta360が共同開発した注目のドローン「Antigravity A1」が日本で正式に発売されました。8K360°カメラと没入型ゴーグルを組み合わせたこの機体は、クリエイターに「構図からの解放」をもたらします。
しかし、その革新的な機能を日本で楽しむためには、2025年現在の最新ルールを正しく理解しておく必要があります。


■ クリエイティビティを加速させる3つの革新
- 「まず飛ばして、後で撮る」8K360°カメラ1/1.28インチの大型センサーを搭載。全方位を8K解像度で記録するため、撮影後にスマホやPCで好きな方向を切り出す「リフレーミング」が可能です。
- 自分自身が鳥になる「Visionゴーグル」片眼2.5KのMicro-OLEDパネルにより、圧倒的な没入感を実現。ヘッドトラッキング機能で、首を向けた方向の景色がリアルタイムに目に飛び込みます。
- 249gのコンパクトボディ軽量ながら最大39分の飛行(オプション使用時)が可能。FlowState手ブレ補正により、風の中でも映像はピタッと安定します。

⚠️ 日本国内で飛ばすための「4つの必須条件」
「249gだから規制対象外」というのは過去の話です。日本では現在、100g以上の機体はすべて「無人航空機」として厳しいルールの対象となります。特にA1をゴーグルで楽しむ際は以下の点に注意してください。
1. 機体登録とリモートIDの搭載(必須)
屋外で飛ばすには、国土交通省の「DIPS」への登録が義務付けられています。A1にはリモートID機能が内蔵されていますが、登録後に機体と連携させなければ、飛行させることはできません。
2. 「目視外飛行」には事前の承認が必要
ここが最大の注意点です。 Visionゴーグルを装着して操縦する場合、自分の目で機体を直接見ることができないため、法律上は「目視外飛行」に該当します。
- 解決策: 国土交通省から「目視外飛行」の包括申請を行い、承認を得る。
- または、補助者(横で機体を目視監視する人)を配置する。
3. DID(人口集中地区)での飛行禁止
東京23区や地方都市の市街地などは「DID地区」に指定されており、原則として飛行禁止です。自分の飛ばしたい場所が該当するか、必ず国土地理院の地図などで確認しましょう。
4. 360°カメラ特有のプライバシー配慮
A1は全方位を撮影するため、意図せず他人の家の窓や通行人の顔が鮮明に写り込んでしまうリスクがあります。
- 対策: 撮影した映像をSNSにアップする際は、専用ソフトの**「自動ぼかし機能」**などを活用し、プライバシー保護に努めることがマナーとして求められます。

1. 自分の地域が「飛行禁止区域(DID)」か調べる方法
ドローンを飛ばす前に、まず「そこが飛ばしていい場所か」を確認する必要があります。日本では「人口集中地区(DID)」の上空は、原則として許可なしに飛ばせません。
おすすめの確認ツール
- 国土地理院「地理院地図」: 最も正確な公的データです。「地図上で赤く塗られている場所」がDID地区(飛行禁止エリア)です。
- ドローンフライトナビ(アプリ): スマホで現在地周辺の規制状況をサッと確認できるため、現場で非常に重宝します。
注意! > DID以外にも「空港周辺」「国の重要施設(首相官邸など)」「自衛隊基地」の周辺は、249gの小型ドローンであっても一律禁止されています。
2. 国土交通省への「包括申請」の手順
Antigravity A1を「Visionゴーグル」で操縦したり、DID地区で飛ばしたりするためには、国土交通大臣の許可・承認が必要です。 特定の日にち・場所を指定せず、1年間の有効期間内で日本全国(一部除く)をカバーできる「包括申請」が一般的です。
申請の全体フロー
申請は、国土交通省のオンラインシステム「DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)」で行います。
- アカウント作成・機体登録: まずはDIPS 2.0でアカウントを作り、A1のリモートID登録を済ませます。
- 操縦者情報の登録: HP等で公開されている「講習団体」の技能証明証を持っているとスムーズですが、持っていない場合は、独自の飛行実績(10時間以上の操縦経験など)を入力します。
- 申請書の作成(飛行許可・承認申請):
- 飛行の目的: 「空撮」「趣味」など。
- 飛行のカテゴリー: ほとんどの場合「カテゴリーII」に該当します。
- 申請する項目: ゴーグルを使う場合は**「目視外飛行」にチェック、市街地で飛ばす場合は「人又は家屋の密集している地域」**にチェックを入れます。
- 審査と通知: 通常、不備がなければ10開庁日ほどで電子許可証が発行されます。
3. 実践:ゴーグル飛行(目視外)での法的ルール
包括申請が通った後も、実際にA1をゴーグルで飛ばす際には以下の「遵守事項」を守る必要があります。
- 補助者の配置: ゴーグルを被っているパイロットは周囲が見えません。必ず、周囲を監視して危険を知らせてくれる「補助者」を配置しなければなりません(一人でゴーグルを被って飛ばすのはNGです)。
- 飛行日誌の作成: 飛行させた日時、場所、飛行時間、トラブルの有無を必ず記録し、保管する義務があります。
■ まとめ:スムーズなフライトへのチェックリスト
- [ ] DIPS 2.0で機体登録&リモートID連携
- [ ] 包括申請(DID・目視外)を提出・受理
- [ ] 飛行場所を地図アプリで確認
- [ ] 補助者を確保してフライト!
Antigravity A1の8K360°映像は、これまでのドローンとは別次元の感動を与えてくれます。ルールを正しくクリアして、安全に「空の自由」を手に入れましょう。
■ 製品スペックと価格
| 項目 | スペック |
| 価格 | 209,000円(税込)〜 |
| 重量 | 249g(標準バッテリー) |
| 解像度 | 8K30fps / 5.2K60fps / 4K100fps |
| 飛行時間 | 最大24分(大容量バッテリー時39分) |
| 操作性 | 片手操作のモーションコントローラー付属 |
| 公式サイト | Antigravity|8K 360度全景ドローン |
まとめ:ルールを守って「無重力」の自由を楽しもう
「Antigravity A1」は、これまでのドローン空撮の常識を覆すデバイスです。ゴーグルでの没入体験は、一度味わうと戻れないほどの感動があります。
法規制をクリアし、安全に配慮することで、この「8K360°の自由な空」を最大限に活用しましょう。



